SE(システムエンジニア)という職業は「稼げる」というイメージをお持ちの方もいるかと思います。
実際、経験とスキルのあるSEは年収が高い傾向にあります。
しかし、それはSE全員というわけではなく、在籍している業界や持っているスキル、働き方によって年収は大きく変わります。
中には今の収入に満足できず、転職やスキルアップの方法を検討中の方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回はできるだけ満足できる収入に近づけるために、今すぐにできることや将来を見据えた上であなたに合った働き方を考えていきたいと思います。
自分に合わせたSEの働き方について紹介
SEはさまざまな働き方が可能な職業です。
その中でも身近で検討しやすい働き方は以下の3通りではないでしょうか。
- 会社員として働く
- 副業をする
- フリーランスになる
この働き方が一番いいとかではなく、求める年収やライフスタイル、持っているスキル、性格などによって向き・不向きがあるというだけです。
それぞれの働き方の特徴や収入アップに必要なことを考慮した上で、自分に合った働き方を目指してください。
それでは、働き方の特徴について詳しくご紹介します。
会社員としてのSEの働き方
SEとして働いている人のほとんどが、企業に所属する会社員として働いています。
「正社員」や「派遣社員」の他、「出向」という形で取引先の企業に常駐して働く会社員もいます。
会社員として働くメリットは何と言っても「安定」です。
このご時世において絶対はあり得ませんが、それでも会社員として働いていれば毎月決まったお給料がいただけますし、会社に万が一のことがあっても失業保険などの福利厚生もあります。
さらに、勤務態度に問題がなく、スキルがしっかりあれば再就職も難しくありません。
また、企業で働いていれば初めての案件に携われたり、不明点は先輩に聞けたりと、お給料をいただきながらスキルアップができるという恵まれた環境を得ることができます。
ただし、安定している分、大幅な収入アップができるケースは少ないです。
収入アップを目指すなら昇進、転職、副業といった方法が必要になります。
副業としてのSEの働き方
SEとしての技術をすでに持っているのであれば、副業を始めるのはとても簡単です。
未来ではなく今すぐに年収を上げたい、少し入り用でお給料以外の収入が欲しいという場合は副業が適していると思います。
本職がSEで副業もSEという働き方はもちろん、本職を別に持って副業でSEという方法もあります。
副業を行う時間を確保する必要はありますが、自宅でできるので通勤の負担がなくスケジュールも自分で組むことが可能です。
簡単なコーディング作業など負荷の少ない案件もあるので、最初は単価が低くても確実にできる案件から慣れていくと良いと思います。
また、後述しますが、SEとして副業をすることは収入以上にメリットがありますので、興味のある方は一歩を踏み出して欲しいと思います。
「フリーランス」としてのSEの働き方
フリーランスとして働いているSEもたくさんいます。フリーランスはスキルさえあれば時間や場所にとらわれず、高収入が目指せる働き方です。
逆に言うと収入が安定しない場合もあります。しかし、今はフリーランス向けのエージェントやクラウドソーシングサービスも充実しているので、フリーランスへのハードルは下がっていると感じています。
ただし、フリーランスとして生計を立てるのならSEとしての技術以外にも必要なことが多々ありますので、メリット・デメリットを十分吟味してから決めることが大切です。
フリーランスについては後に詳しく解説します。
SEが副業をするメリットとは
SEが収入やスキル、将来に少しでも不安を覚えたなら、まずは副業として1人で案件を受注することをおススメしています。
なぜならメリットが多いからです。
主なメリットは下記の6つになります。
- 収入アップするのが早い
- 大幅なスキルアップに繋がる
- 実績が積める
- 人脈が広がる(固定クライアントがつく可能性もある)
- やりたい案件を受けることができる
- フリーランスでやっていけるかを見極められる
メリットの内容についても、詳しく解説していきます。
収入アップするのが早い
当たり前ですが、本業とは別に仕事をするので収入が増えます。
手っ取り早く年収アップをしたいのであればおススメです。
受ける案件の内容にもよりますが、SEとして受ける仕事は万単位であることが多く、月に数万円であればさほど無理なくこなせる範囲です。
信頼を得て次に繋げる為には納期厳守は絶対条件ですので、自分が使える時間とスキルを十分に把握した上で案件を選ぶようにしましょう。
大幅なスキルアップに繋がる
企業に勤めていると、SEとして働く業界が限られていたり携わる工程が偏ったりします。
しかし、副業であれば基本的に全工程を自分1人で行う為、本職と同じ分野であっても生産性が上がってかなりのスキルアップに繋がります。
また、これまであまり携わってこなかった分野や仕事内容にチャレンジすれば、スキルの幅を広げることができます。
案件数や内容から世間が求めているニーズや流行もわかりやすいかと思います。
日々変化と進歩をしているIT業界で生きていくためには自身も勉強を続けなければなりません。
せっかく勉強するのであれば、ただ黙々とするだけではもったいないでしょう。ついでに副業をすることで、スキルアップとトレンド調査をしながら収入が得られるということです。
実績が積める
収入アップのために転職をするにしろ、副業をするにしろ、フリーランスになるにしろ、実績がなければ苦戦するのは火を見るよりも明らかです。
さまざまな案件をこなし、実績を積むのにも副業はピッタリです。これまでの経験値として対外的にもアピールできるポイントになります。
人脈が広がる(固定クライアントがつく可能性がある)
さまざまな案件を受けていると、クライアントや一時的にチームを組むメンバーなど、人脈が広がっていきます。
自分の本業とは違う会社や考え方を持った人達との交流は良い刺激にもなりますし、信頼と実績を積み重ねてクライアントに気に入られれば直接依頼・継続依頼を受ける可能性も出てきます。
また、そこでできた人脈から新たな仕事の依頼が来たり、業界の情報収集にも役立ったりすることもあるでしょう。
やりたい案件を受けることができる
企業に属していればやりたい仕事だけができるわけではありません。
しかし、本業としての収入がある上での副業をするのであれば、自分がやりたい仕事・挑戦したい仕事だけを受けることができます。
前述したように仕事の幅を広げることもできますし、自分の得意分野もわかってくると思います。
また、どの範囲まで仕事を広げれば納得できる収入を得られるのか、自分の好きな仕事だけでどの程度の収入を得ることができるのかを見極める1つの判断材料にもなります。
フリーランスでやっていけるかを見極められる
将来的にフリーランスの道を考えている場合、自分の実力でどの程度の収入が見込めるのか、どこから依頼を受けるのかを考えて仕事を選んでいきましょう。
その道筋に繋がる関係性を副業で作ることをご提案します。
いきなりフリーランスで仕事をしていこうとしても、実績も人脈も無い状態では軌道に載るまでに大変な時間と労力がかかります。
まずは顧客作り、人脈作りに加えて、自分のさらなる強みを作るのためにも、本業を持って生活を守りながら副業を行い、フリーランスで生計を立てていけそうか見極めると良いと思います。
SEに向いている副業5選
SEが副業をするメリットはたくさんありますが、いざ副業と言ってもどんな仕事があるのか、全くわからない人もいると思います。
そこで、SEが始めやすい副業5選をご紹介します。
副業その1:アプリやシステムの開発エンジニア
本業で開発経験があるのなら、単価が高くSEのスキルを存分に発揮できるのが開発系の仕事です。
アプリ開発、システム開発、ツール開発などさまざまな案件があり、規模も小規模で1人で全てを担う物から開発チームの一員になる大規模なものまであります。
また、依頼された開発をするのではなく、自分でアプリを開発して販売するという方法もあります。
すぐに報酬には繋がりませんが、当たれば財産になります。
副業その2:コーディング
WEBサイトなどを、マークアップ・プログラミング言語を用いて記述していく仕事です。
指示通りにひたすら書いていくだけなので、開発ほど難易度が高くなく、単発の案件も多いので取り掛かりやすいと思います。
副業その3:スクールの講師
SEの経験も活かしつつ、人に教えることが好きな人はプログラミングスクールでの講師も良い副業だと思います。
教室に行く必要がある場合もありますが、最近はオンラインスクールもあるので自宅でも可能です。
働く場所も「専門学校」「社会人向けスクール」「子供向けスクール」「スキルシェアサービスを使った個人レッスン」などさまざまです。
社会人向けや子供向けの場合は、夜や土日に稼働がしやすく、副業に向いているかもしれません。
また、直接教えるのではなく、受講生が書いたコードの添削や相談に対応する「メンター」という仕事もあります。
副業その4:WEBライティング
副業のハードルが低く、活動時間を自分で決めやすいのがWEBライティングの仕事です。
一般的には単価の低い案件も多いですが、SEとしての知識と経験を活かしたライティング依頼であれば単価も比較的高めに設定されています。
また、自身で専門知識の記事を作成し、ブログを立ち上げて運営すると、長い目で見て収益化できる可能性もあります。
副業その5:動画編集
最近のSNSの人気の高まりもあって、動画編集の仕事依頼も増えています。
素人でもできないことはありませんが、ソフトの使い方を勉強したり、実際に編集作業をしたりするのはとても時間がかかります。そのため、依頼をしている人も多いのです。
動画編集ができるスペックのパソコンを持っていて、動画編集をしたことがある、勉強したいと思っている方には向いています。
フリーランスは本当に稼げる?
最も自由で高収入を狙える働き方はフリーランスです。最近はフリーランス向けの仕事マッチングサービスも充実しているので、フリーランスへのハードルも低くなっていると感じています。
その一方で、フリーランスはキツイという話しをよく耳にします。
それは、収入が不安定であることと、SEとしてのスキル以外のスキルも必要になるからです。
自分で仕事をしていくのですから、営業力やコミュニケーションスキルは欠かせません。
人脈やコネクションがなければフリーランスになりたての頃はかなりキツイ思いをすると思います。
そして、自分の強みやスキルがなければ会社員より稼ぐことはかなり難しいことも事実です。
十分な収入を得られるフリーランスSEになりたいのであれば、まずは企業に勤めて副業をしながらスキルアップと人脈作りに励み、環境を整えてから独立することをお勧めします。
副業・フリーランスが仕事をもらう方法
副業でもフリーランスでも、最初に仕事を受けていく方法は大きく分けて以下の3つです。
- クラウドソーシング
- エージェント
- 知人の紹介
フリーランスの場合は、この3つに加えて元々いた企業やクライアントからの案件依頼という場合もあります。
独立する際はお世話になった方へのご挨拶と円満退職を心がけましょう。
クラウドソーシング
初めて仕事を受注するならまず思いつくのがクラウドソーシングサービスだと思います。
登録が必要なのと報酬を受け取る際の手数料が発生しますが、未払いのようなリスクが低く、好きな仕事を探せます。
また、自分の出来ることや実績を公開して依頼を待つタイプのサービスもありますので、自分に向いているサービスや方法を探してみましょう。
エージェント
エージェントと聞くと転職活動などを連想される方もいるかもしれませんが、副業専門、フリーランス専門のエージェントも存在します。
自力での案件獲得が難しい方や、案件探しの手間を省きたい方には向いている方法です。
トラブル時のサポートや単価の高い案件を持っている場合もありますので、一度活用されてみても良いかと思います。
ただし、登録時に面談やキャリアシートの提出が必要なこと、エージェントによってはリモートではなく出社の必要がある案件が多い場合もありますので、自分の働き方に合った仕事を紹介してもらえるエージェントを探しましょう。
知人の紹介
知り合いやクライアントを通して仕事をいただく方法です。副業をしたいという話をしていれば、どこかしら案件の話が舞い込んでくることも少なくありません。
また、仕事とは関係のない知り合いの伝手でお店のWEBサイト制作を頼まれるなんてケースもあります。
紹介で仕事をもらうには幅広く人脈を築いておくことがポイントです。
ただし、報酬の交渉と、トラブルを避けるために書面での契約書などの用意はしっかりと行う必要があります。
まとめ
SEとして活躍できるスキルを持っていれば、どんな働き方でも問題なくやっていけると思います。
目標年収、働く時間や場所、やりたい仕事内容などを考えて、自分に合った働き方を選んでください。
また、どんな働き方であっても常にスキルアップをしていくことは必要となります。
せっかくなら、副業でプラスの収入を得てみてはいかがでしょう。
まずは月1万円のプラス収入から始めて、ゆくゆくは数万円から数十万円の収入アップも夢ではありません。
それが昇進に繋がったり、フリーランスへの後押しとなったり、将来のあなたの糧になることは間違いないと思います。