ネットワークの技術は、日々目まぐるしいスピードで進歩しています。
かつては夢物語だと言われていた人工知能やメタバース、完全フルリモートのビジネスシーンなども実現化し、これからはますますAI技術が身近なものになっていくでしょう。
そういった技術を支えている人こそが、SEをはじめとするITエンジニアです。
IT業界は常に人手不足が叫ばれており、SEは完全な売り手市場となっている状況です。
しかし、慢性的な人手不足にもかかわらず、その一方でなかなか仕事に就けない人がいることをご存じでしょうか。
今回はそんな業界の背景と、仕事や転職で失敗しないエンジニアについてお話をします。
目次
SEの需要はあるのに、なぜ仕事が見つからないSEがいるのか
冒頭でも書いたように、日本のIT業界は常に人が足りていない状況と言われています。技術の進歩に伴いSEが求められるシーンが増えているのです。
IT系の求人サイトや転職情報を見ると「未経験からSEになれる」という内容を見かけることもあるでしょう。
現在は、未経験者でもスクールやセミナーを利用することで一人前のSEとして仕事をすることができます。
しかし、そういった人材不足を解消するための取り組みも、まだ実を結んでいないのが現状です。
そこだけを見ると「SEなどのエンジニアって人気のない職種なんだろうか…」と思われるかもしれませんが、断じてそういうことではありません。
実際に、SEとして働きたいと考えている人の人口は年々増加傾向にありますし、中にはSEとして働きたいのに仕事が見つからずに困っているという人も存在します。
働きたい人は増えているのにSEとして働くことができない、常に人手不足なのにSEが余ってしまっている…少し矛盾があると感じるでしょう。
なぜこのような複雑な状態に陥っているかというと、需要は高まっているにもかかわらず「企業が求めるスキルを持ったSEがいない」という点が大きな原因なのです。
企業がSEに求めているスキルを知ることが転職のカギ
「企業が求めるスキルを持ったSEがいない」
これだけを聞くと、企業がSEに無理難題を課しているように思えるかもしれません。
しかし、仕事を発注する側としては相手がどんなスキルを持っているかを見極める義務があります。
そしてSEをはじめとするエンジニアという職種は、分野によってスキルに大きな差があります。
SEとして転職したいと考えている方はまず、自分がどんなスキルを持っているかを一度見直してみてください。
そしてその内容が、自分の目指している業界とマッチしているかを考えてみてください。
一方で、これからSEを目指していきたいと考えている方は、企業がどんなスキルを求めているかをリサーチして、知識を尖らせていくことをおすすめします。
スクールやセミナーで学んだことをそのまま覚えているだけでは、ほかの何百、何千というエンジニア志望の人材に埋もれてしまいます。
学んだことを自分なりに噛み砕いて、ブラッシュアップしていきましょう。
また、日々進歩を遂げるIT業界では、情報も常に新しいものが生まれていきます。
SEとして働くのであれば、常に新たな技術に対するアンテナを張り、アップデートを心がけていきましょう。
どんな企業も、新しい技術に対応できるSEを欲していることは間違いないのです。
SEは実績重視?まずは職務経歴を充実させること
これからSEとして仕事をしていきたいけど、なかなか思うような仕事に巡り合えない…とお悩みの方へ、一つアドバイスをしたいと思います。
SEをはじめ、IT業界の中枢を支える職種は全て専門職であり、その世界のプロフェッショナルです。
多くの人は、知識を持ったうえで実務経験を積み、スキルを磨いています。
「将来はSEとして正社員になりたい」「フリーランスのSEとして稼げるようになりたい」と考えているのであれば、まずは実務経験を積みましょう。
初めは初心者向けの低単価な案件でも良いのです。
クラウドソーシングなどのサービスを駆使して、自分ができそうなお仕事を探してみてください。
いかにスクールで学んだか、どんなスキルを磨いてきたかも重要なことではありますが、それらを使って何をしてきたか、どんなことができるかをアピールするためには、やはり実績が必要になってくるのです。
遠回りに思えるかもしれませんが、そうして積み上げてきた実績は、いざ本格的な就職活動をしようと思ったときに大きな強みになってくれるでしょう。
職務経歴を充実させるために出来る5つのこと
職務経歴書に記載するために、SEとしての実務経験を積む方法としては以下の5つがあります。
実際のプロジェクトに参加した後は、プロジェクトの成果物や結果をスキルシートや職務経歴書へ忘れずに取り入れましょう。
インターンシップやアルバイト
IT企業や開発チームでのインターンシップやアルバイトに参加することで、実際のプロジェクトに関与しながら経験を積むことができます。
チームメンバーと協力してタスクを遂行し、実践的な知識やスキルを身につけることができます。
プロジェクトへの参加
大学やオープンソースコミュニティなどで行われているプロジェクトに参加することで、実際の開発作業に携わる機会を得ることができます。
他の開発者と協力してタスクをこなし、コードのレビューやデバッグ作業を通じて実務経験を積むことができます。
ペットプロジェクトの開発
自身で興味を持ったプロジェクトを立ち上げ、開発に取り組むことも有益です。
自分が目指す分野や技術に合わせたアプリケーションやウェブサイトを開発することで、実践的な経験を得ることができます。
コミュニティへの参加
ソフトウェア開発やSEに関連するコミュニティに参加し、知識の共有や交流を行うことで学びの機会を得ることができます。
オンラインフォーラムやユーザーグループ、カンファレンスへの参加などがあります。
スキルの継続的な学習
技術は日々進化していますので、継続的な学習が重要です。
最新の技術やツールについて学び、自己啓発を行うことで、実務で求められるスキルを磨くことができます。
転職を考えている業界について、どのくらい詳しくなれるか
転職を考えるときに、SEとしてのスキルを磨くことはもちろん大切ですが、併せて目指す業界を知っていくことも意識してみてください。
SEなどのエンジニアが求められる業界は、数えきれないほど存在します。
まずは、自分がどんな業界で働きたいのかを明確にしましょう。
そのうえで、その業界の動向についてリサーチをしていきます。
今、どんな技術が求められているかや今後どのような方向性に成長していくのかを考えていくと、おのずと身に着けるべきスキルが見えてくるでしょう。
また、業界自体のことを知っておくだけでも強みになります。
例えばゲームアプリを開発する企業を志望するのであれば、今世間ではどのようなゲームが人気を集めているのか、どんな技術が注目されているのかを知ることで、入社後に知識を活かした立ち回りができます。
銀行で働くことを希望するのであれば、セキュリティ面のシステムを理解したり、金融システムについて学んだり、そもそもの銀行のあり方を知っておくだけでも他の人材との差別化になるでしょう。
エンジニアとしてのスキルに大差がない数名から一人を採用する場合、その業界の知識に明るい人を選びたいと思うのは当然のことだと思います。
そう言った部分のリサーチ力や知識を得ることに対する姿勢も、SEとして働く素質と言えるかもしれません。
転職の前には、IT業界全体を見渡して成長産業を知ること
自分が希望する業界が明確になっていない場合は、とにかく成長産業について学び、知識を身につけることを意識してみてください。
成長産業とは、これからどんどん伸びていくと言われている産業のことを指します。
はやい速度で成長を続ける事業、つまりIT業界であれば大半が当てはまるのですが、その中でもAI技術などの機械学習、仮想空間システムなどに使用される技術は知っておいて損はないでしょう。
そのほか、医療やヘルスケア業界も成長産業と言われています。
医療でいうと電子カルテシステムやオンライン環境での診療サービスなど、今後もSEの技術が求められるシーンは多々あります。
また、リモートワークの普及により企業がセキュリティ面のシステムに注目しているという時代の背景も知っておくと良いでしょう。
納得のいく転職をするためには、自身の持つ知識やスキルをどのように活かすか、どこで活かすかを考えることが先決です。
システムエンジニアというIT業界のプロフェッショナルは、最先端の技術を追求する働き方も、多くの人の助けになる仕事をすることも可能なのです。
まとめ
売り手市場と言われるSEですが、実際は「誰でも仕事に就ける」というものではありません。
スクールで知識をつけたという段階は、無事に運転免許証を取得した状態と同じといっても良いでしょう。
そのスキルをこれからどのように活かしていくか、そのためには知識をどう進化させていく必要があるかを考えることが重要です。
闇雲に「SEとして働きたい」というだけでは、明確なビジョンにはつながりません。
自分がどんなSEになりたいのか、どんな業界に身を置きたいのか、そしてその業界でどんな働きをしていきたいのかを考えながら、必要な知識を増やしていってください。
企業から求められるSEは、自分で考えて、調べて、学び続けられる人材です。
ご自身で決断することが難しい場合には、エンジニア向けの転職サイトを利用することも検討してみてください。 エンジニアの求人に特化したエージェントが、お一人おひとりのスキルに合わせたお仕事の提案、アドバイスも行っています。
これからますます発展していくITの世界において、日々進化についていくことは並大抵のことではないかもしれません。
しかし、そういった働き方ができるプロフェッショナルこそが、活躍できるプロフェッショナルと言われるのでしょう。