1つの会社を定年まで勤めあげることが当たり前でなくなったことに加え、新型コロナウイルスをきっかけに働き方を考えたり、転職をせざるを得ない状況になったりした人は少なくありません。
そんな中、リモートワークが可能で将来性が高く、急速な業界の成長に伴い人材不足で求人が多いIT業界への転職を希望する人も増えてきました。
そのIT業界の中でも、生活の中に身近にあり未経験からでも比較的目指しやすいWEBエンジニアに注目が集まっています。
そこで、これからWEBエンジニアを目指す人に向けて、そもそもWEBエンジニアとはどんな仕事なのかを解説していこうと思います。
未経験・異業種からの転職についての現実や前向きなアドバイス、前職の業種などをご紹介します。
目次
転職に成功した未経験WEBエンジニアの前職は?
未経験や異業種からWEBエンジニアを目指したいけれど、全くの畑違いから転職するには無理があるのでは?と不安に思う方もいると思います。
そこで、未経験からWEBエンジニアへの転職を成功させた人の前職TOP10をご紹介します。
- 事務・オフィス
- 営業
- 販売
- 工場・製造
- 専門職
- サービス
- WEBクリエイター
- フード・飲食
- 建築・土木
- 教育・保育
引用元:PRTIMES
いかがですか?あなたの前職や現職は入っていたでしょうか?
もし、上記の業種には全く関連していいない、という場合でも不安になる必要はありません。これはあくまでも多い順に過ぎないからです。
WEBエンジニアもパソコン作業なので、デスクワークやパソコンの扱いに慣れた人が多いのは自然なことでしょう。
あなたの仕事がこの中に入っていなくても、気にせず目指してほしいと思います。
WEBクリエイターとWEBエンジニアは違うの?
上記の前職ランキングについて、「未経験からって言っていたのにWEBクリエイターがランキングに入っている!」と思った方もいるかもしれません。
IT業界に縁がないと「WEBクリエイター」と「WEBエンジニア」の違いがよくわからない人も多いと思います。
そこで、下記に超ざっくりとではありますが、WEBの業種について簡単に説明していきます。
WEBクリエイターとは
WEBクリエイターはWEBサイトやコンテンツ制作全般のクリエイティブ業務を担います。
クライアントの要望・コンテンツを作る目的・求める結果をヒアリングし、そのためにどのようなコンテンツが必要かを考えていく仕事です。
分かりやすく言えば、WEBサイト全体の設計者のようなポジションになります。
WEBデザイナーとは
WEBクリエイターと混合されがちな職業であるWEBデザイナーについても触れておきます。
WEBデザイナーはWEBクリエイターやWEBディレクターが纏めたコンセプトに合わせてWEBサイトページのデザインをする仕事です。
会社によってはWEBデザイナーとWEBクリエイターは兼任している場合もあります。
WEBエンジニアとは
WEBエンジニアは、WEBデザイナーのデザインをWEBサイト上に表示できるようにプログラムを組んだり、WEB上のアプリケーションを開発したりする仕事です。
ホームページなどのインターネットサービスが普及している今、とても身近なエンジニアではないでしょうか。
WEBエンジニアについては次項からさらに詳しくご説明します。
WEBエンジニアの具体的な仕事の流れについて
上記でも書きましたが、WEBエンジニアとはWEB系のサイトやアプリケーションの開発をする仕事です。
その内容は主に5つの流れがあります。
- 1.クライアントの要望を聞いて内容を決める「要件定義」
- 2.プログラムを書くための「設計」
- 3.実際にプログラムを書いていく「コーディング」
- 4.問題なく作動するかの「テスト」
- 5.継続的に使用していくための「運用・保守」
これらの作業を分担して行うケースが多いです。
WEBエンジニアの職種について
WEBエンジニアの職種は「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」の大きく2つに分かれます。
それぞれの仕事内容と必要なスキルに加えて、WEB系エンジニアについて調べる際によく目にする「マークアップエンジニア」と「フルスタックエンジニア」についてもご説明いたします。
フロントエンドエンジニアとは
WEBサイトのページやアプリケーションの、ユーザーが目にして使う画面を作っていくのがフロントエンドエンジニアです。
例えば、文字、写真、ボタンなどのレイアウト、入力フォーム、動画、自然に入れ替わる写真やマウスでポイントするだけで色等が変わる動き全般もフロントエンドエンジニアの仕事です。
そのため、HTML・CSS・JavaScript・jQuery・Angular・React(JavaScriptフレームワーク)といった知識の習得が必要になります。
その中でも、HTML・CSS・JavaScriptは最低限の必須スキルと言えます。
ただ、他の言語と比べると比較的初心者でも習得がしやすく、普段見慣れた部分の開発なので取り組みやすいため、未経験から目指しやすいのはフロントエンドエンジニアです。
バックエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアとは逆で、システムの内部処理やデータのやり取りに関する部分の開発などのWEB系システムの見えない部分を作っていく仕事です。
例えば、商品検索の結果・ユーザー認証・不正アクセスの対応などになります。サーバー側で動作する部分を担うので、サーバーサイドエンジニアと呼ばれる場合もあります。
インフラを含む幅広いWEB系の知識とプログラミング言語を習得する必要があるため、フロントエンドエンジニアと比べると難易度は高めです。
言語としてはPHP、Ruby、Java、Pythonなどと、SQL(データベース言語)の習得が必要です。
全てを知っていないと仕事ができないわけではなく、行きたい業界ややりたい内容を踏まえて役立つ言語をまずは1つ覚えると良いと思います。
また、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアは円滑なやり取りが重要なので、どちらの場合もコミュニケーションスキルも身につけておきたいスキルです。
マークアップエンジニアとは
マークアップエンジニアはWEBサイトを制作する職種の1つです。
HTMLやCSSを使ってデザインや設計書をもとにコーディングを行うため、コーダーと呼ばれることもあります。コードの書き方が不明な場合は自分で調べて解決する必要があるので、情報収集能力も大切です。
HTMLやCSSは未経験でも習得しやすいスキルなので、WEB業界を目指すなら最初に覚える知識です。
そのため、初心者に向いている仕事ではありますが、フロントエンドエンジニアがまかなえてしまう範囲の仕事のため、フロントエンドエンジニアへの第一歩とするのが良いかと思います。
また、WEBサイト制作に特化した企業での求人はありますが、マークアップだけならできる人がたくさんいるため、未経験からの採用に繋がりにくいと言えます。
WEBデザインも併せてできるようになるか、Javascriptも覚えて1つ上のコーダーを目指すと需要が増えると思います。
フルスタックエンジニアとは
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの両方の仕事をする人をフルスタックエンジニアと呼びます。
1つの言語に特化しているというより、幅広い知識とスキルが必要です。
一般的にプロジェクトの規模が大きくなるほど分業制になっていますが、たくさんの人員を抱えられないベンチャー企業や中小企業では重宝される存在です。
WEBエンジニアとして全ての工程を1人でできるようになるため、HTML・CSS・Javascriptはもちろん、jQuery・Angular・ReactからPHP・Ruby・Java・SQLなども扱える必要があります。
WEBエンジニアの働き方について
比較的言語が習得しやすい・作るものが身近でイメージしやすい・需要が高い業界だからなどといった理由から、未経験からWEBエンジニアを目指す人がいると説明してきました。
実は、未経験からだけでなく、もともとIT業界にいる人がWEBエンジニアを目指すパターンというのも少なくありません。
IT業界からWEBエンジニアに転職する理由の1つに、「他のIT系の仕事に比べて働き方が柔軟である場合が多い」というのがあります。
もちろん、扱っている業界や会社の規模によっても違いますが、比較的にリモートワークやフレックスタイムといった柔軟な働き方がしやすい環境にあります。
人員不足でブラックである可能性も否めませんが、それでも納期直前でなければ無茶な残業や休日出勤は少ない傾向にあるため、他のIT業界からWEB業界への転職希望者も多いのです。
将来的に自由度の高い働き方を希望している場合は、リモートワークやフレックスタイムを取り入れており、尚且つ十分に制度が活用されている会社を選びましょう。
SES企業かどうかをチェック
WEB業界では少ないかもしれませんが、ITエンジニアという仕事の場合、自社で開発を行う場合とクライアント企業で常駐して開発を行う場合があります。
このクライアント企業に出向して働く業務形態を「SES(システムエンジニアリングサービス)」と言い、派遣先で指定された仕事を行います。
この働き方が良くないわけではありませんが、希望と違う案件を任されたり、指示されたことをひたすら黙々とするだけだったりする場合もあります。
また、自社ではないので評価が反映されにくく、給料が上がりにくいという側面もあります。
あえてSES企業を選ぶというのであれば、その先のキャリアパスをしっかりと描いてこの経験を糧にするという気持ちで臨むと良いと思います。
実際に未経験から転職は可能?シビアな年齢制限の噂は本当?
IT系エンジニアの中でも初心者から目指しやすく未経験求人が多いWEBエンジニアですが、年齢が高くても未経験から採用までたどり着けるのでしょうか。
結論から言いますと若くなくても未経験転職は可能ですが、企業側からすればできるだけ若い人が欲しいのは事実です。
若い人ほど知識も吸収しやすいですし、ポテンシャル採用をしてもらえる可能性が高いです。
では、それ以上の年代はどうかと言うと、30代前半くらいまでならIT系の知識やスキル+マネジメントスキルなどのこれまでに培ったスキルと経験をアピールできれば十分に狙えます。
しかし、35歳以上になってくるとWEB業界に限ったことではありませんが、未経験からの転職は正直厳しくなってきます。
だからと言って絶対に無理、諦めた方がいいというわけではありません。
30代後半から未経験転職を考えている人は、次項の「未経験からWEBエンジニアに転職するためにできること」を参考にしてみてください。
未経験からWEBエンジニアに転職するためにできること
WEBエンジニアは未経験からでも転職しやすくはありますが、全くゼロの状態から手取り足取り教えて貰えるわけではありません。
最低限、IT系の知識とWEBエンジニアに必要な知識とスキルは習得しておく必要があります。
また、20代前半や第二新卒とかで無い限りは、できるだけ実績があった方が転職しやすくなります。
例えば、クラウドソーシングサービスなどを利用して、副業で案件を取って実績を積んだり、コンテストに出て賞を獲得したりと目に見えやすい実績は大切です。
それでも転職に難航した場合はフリーランスという道もあります。
未経験からいきなり目指すのは容易ではありませんが、副業から始めて実績と人脈を広げていければ可能性は十分にあると思います。
転職に行き詰まった人や、フリーランスや副業としてのWEBエンジニアに興味がある人はこちらも参考にしてみてください。
【会社員?副業?フリーランス?】転職も視野に入れたあなたに向いているSE(システムエンジニア)の働き方をチェックまとめ
現職・前職に関わらず未経験からでも目指しやすく、さまざまな働き方の可能性があるのがWEBエンジニアです。
年齢が上がるにつれて転職の難しさも上がってしまうというのは否めませんが、1つの道に固執せず、色々な道を模索しながら自分の納得のいく働き方ができるWEBエンジニアをめざしてください。